【後編】虫嫌いなビビり主婦 vs. アメリカの虫 〜蟻との全面戦争〜
こんにちは。
前回書いた、アメリカで闘っている様々な虫たちとの奮闘記の続きです。
前編↓
我が家の出現頻度第1位だった虫、それは…蟻でした。
まさか我が家に蟻が出るなんて
私 vs. 蟻
蟻(アリ)と言えば、砂糖に群がるイメージ。台所でお砂糖をこぼしてしまったり、食べ残しを一晩中出しっぱなしにしてしまった場合数匹現れる可能性があるかも?程度のイメージを持っていました。
ところがどっこい。
ある晩、例の狭いバスルームのトイレに座っていると視界の隅にうごめくものが…。
この時点で虫嫌いの私としては冷や汗モノなのですが、意を決してよーく見てみると、バスタブ横、角の所に無数の蟻が!!
キャーーーー!とか叫ぼうかと思いつつ反射的に出た声が
「うぅえっ!」
これだから可愛くないオバサンは困る。…なんてことはさておき。
そう、数えきれない程の蟻がテクテク歩いているのです。全長1mm程。私が知っている日本の蟻よりずいぶん小さい。でもどうやら蟻っぽいです。
そのまま放置しておくのも嫌だし、虫退治のスプレー類も持っていないし、とりあえずその日は心を無にしてトイレットペーパーで蟻の大群を回収してトイレにサヨナラさせていただきました。蟻さんたちごめんなさい。
しかし、それで事なきを得たなんて大間違い。
それから毎晩毎晩のように、同じバスルームの、同じ角に蟻の大群が現れるようになったのです。
特徴としては
・ 全長1〜2mm
・ たまに羽蟻が混ざっている
・ 現れる時間帯は大体22時以降、子供たちが寝たあと
・ ユニットバスのバスタブの縁あたりに一番多く、その他バスルームの床やドア枠の周りを行進している
「蟻?そんなの普通だよ」
同じくカリフォルニア在住の複数の方々に愚痴った際、国籍問わずそう言われて心底びっくり。え?普通?!家の中に蟻がいるのが普通なの?
"It's only an ant!" (ただの蟻じゃない)
って…いやいやいや、「ただの蟻」?!家の中に何百匹もいるのが?!と理解できない私。どうやら蟻と蜘蛛は南カリフォルニアあるあるなのだそうです。みんな家の中に蟻と蜘蛛を飼っていて、別に気にしないよ、"Because it's only an ant"って…!オーマイガーですよ。
蟻との全面戦争
いやいやいや。でも私は嫌です。虫嫌いなビビり主婦(私)、さすがに蟻が怖いわけではないけれど、家の中に何百匹も蟻がいるのに見て見ぬふりなんてできません。
蟻と闘う 第1章 Ant Bait
そこで買ってきました。Ant baitなるものを。
こちら、アメリカのスーパーやドラッグストアに行くと必ず置いてある蟻のエサで、要は毒性のあるエサを運ばせ、巣に戻し、巣ごと蟻の全滅を図るというもの。アメリカではこちらが主流みたいです。
夜、蟻が集まってきているところをめがけていざ設置!
-------シーーーーン-------
何も起きない。蟻が全く見向きもしない。
エサを巣に持ち帰らせるどころか、誰もそのエサを食べてくれません!うそー。何度やってもダメ。昼から置いても、夜から置いても、置く場所を買えても、うちのバスルームのしぶとい蟻たちは減ることがありませんでした。
毎日毎日毎日毎日…夜になるとバスルームを行進する何百匹の蟻たち。もうノイローゼになりそうでした。
蟻と闘う 第2章 アロマ
Ant baitには見切りをつけて検索魔と化した私。どうやら蟻はミントやレモンの香りに弱いらしい。蟻の大群に向けてレモン汁を絞ると良いとか?でも家にレモンがなかったのと、その一瞬だけでなく継続的に効かせたかったのでアロマに頼ることに。
その時アロマショップ等に行く余裕がなかった為Target(大型スーパー)を探したのですがミントやレモン単体の商品を見つけられず。とりあえずこちらを買ってみたのです。
アメリカによくある、コンセントに挿すとアロマオイルが温まって香ってくるもの。オレンジとレモンの香りです。
レモンメインじゃないし、ミントは入っていないし、効くのか半信半疑でしたがとりあえず連日蟻の大群と格闘して心が弱っていた私は一日も早く蟻とサヨナラしたく、藁にもすがる思いで買ってみました。
帰宅するなりバスルームのコンセントに挿してみました。
すると!なんということでしょう!
その晩現れた蟻はたったの2匹(ゼロではない笑)!それまで毎晩数百匹規模の蟻の大群がいたのに。信じられませんでした。
それでもきっと蟻が死んでしまったわけではなく、苦手な柑橘系の香りがするもんだからバスルームのどこかにある蟻の巣に潜んで待機していたんだと思います。
蟻と闘う 最終章(?) Pest Control
その翌日。偶然アパートの管理人と立ち話をしていて、最後に「家はどう?何も問題はない?」と聞かれました。
先述の通り蟻は南カリフォルニアあるある。どこの家にも出るし、共存していくしかないと聞いていました。だから管理人に言うほどでもないか…と思いつつ、軽い気持ちで
"Everything is fine, except... there are ants in the bathroom. I used ant baits but they don't work. Oh well..."
(大丈夫です。ただ、バスルームに蟻が出るんですけどね。Ant baitを使ったけど効かなくて。まぁ仕方ないですよね〜。)
と笑いながら口にしたところ、
"Pest control is coming in tomorrow. Would you like him to have a look?"
(明日の午前中ペストコントロール(害虫駆除)の業者が来るんだけど、見てもらいましょうか?)
と!!
えーー!!いいんですか?!(心の中では、「え?値段は?高い?チップは?」と考えていた。笑)
というわけで翌日ペストコントロールが来てくれることに。ちなみにアロマ効果か、その晩の蟻発生数はゼロ!素晴らしい。
そして迎えた次の朝。「午前中」って言ってたけど何時くらいかな…9:30〜12:00くらいかな?なんて思いながら寝起きのパジャマ、すっぴん、髪ボサボサで朝食を頬張っていた8:30頃。
ピンポーーーーン
…早っっっ!!!
というわけでペストコントロールのおじさん登場。玄関入る前から酸素ボンベみたいなの(殺虫剤)を背負って保護メガネをしていて、本格的でした。
当然のように土足で我が家にドシドシ上がり(「あぁ〜うちでは土足厳禁なんですぅぅ…」と言い出せない気の弱い私)、バスルームに進むとアリが発生しやすい箇所を聞いてくれ、早速ドアを閉めて殺虫剤を散布。午前中いっぱいドアは閉めっぱなしにして、その後換気してくださいと言われました。
ペストコントロールが到着してから終了するまで滞在時間わずか1分ほど。
チップは?!あげるべき?いくら?!とモタモタしているうちにおじさんは帰ってしまいました。
そして4時間ほど経過後バスルームのドアを解放し、換気扇全開、家中の窓を開けて換気しました。バスルームは無臭、特に濡れている箇所や汚れている箇所もありませんでした。
…そして。それから1ヶ月以上経つのですが、家の中では1匹も蟻を見ていません。
ありがとうペストコントロール。ありがとうあの時提案してくれた管理人さん。
あの立ち話がなければ、南カリフォルニアで蟻は仕方ないと諦めて生活していたことでしょう。
ペストコントロールは特にその後お金を請求されることもなく、無料で対応してもらえたようでした。ありがたし。
おわりに
アメリカの蟻の大群との全面戦争は、こうして「虫嫌いなビビり主婦(私)」の勝利をもって終結したのです。
ひとつ気になることが。
なんでこんなに蟻が出たのか?
だって蟻って台所とかに出るのでは?なんでバスルームだけにいたんだろう。しかもあんなに数がいたのに、バスルームから先の部屋に進む気配は一切なかった。
それを後日管理人に聞いたところ、衝撃的な答えが返ってきました。
「この猛暑と乾燥に蟻が耐えられなくて、水を求めて出てきたんだよ。だからバスルームなどの水回りに出るんだ。」
えー!!!!まさか蟻たち、水を飲みに来てたの?!
という衝撃。
だから毎日お風呂に入った後の22時以降に出たのか…
と納得。
人間だけでなく、虫たちも猛暑の被害に遭っていたようです。お互い大変だね、という話。笑
蟻だけでなくいろんな虫(トカゲやヤモリも)が多いロサンゼルス、南カリフォルニアですが、なんとか頑張って対応していきたいと思います。私が強くならねば。
おまけ
ちなみにAnt baitはアメリカの品より日本のこちらがよく効くようです。検索魔になっていた頃、南カリフォルニアで蟻被害に悩んでいた方々が日本からこちらを取り寄せて効いたという情報が多数見受けられました。私はまだ試していないものの、今後のために日本から取り寄せてみました。
…使わなければならない日が来ませんように。
尚、柑橘系アロマは今でもつけっぱなしにしています。念の為、ね。
以上、虫嫌いなビビり主婦がアメリカの虫と闘った記録でした。