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ロサンゼルスからお送りするドタバタ滞在記

アメリカの幼稚園⑧ 〜授業とShow and Tell〜

こんにちは。

先日ついに雨が降りました!そう、南カリフォルニアでこの季節めったに降ることのない雨が!私達がアメリカに来てからの数ヶ月の間で初めてちゃんと降った雨です。実際は一度だけ、5分間小雨が降りましたが、それ以来初。

学校のイベント中(屋内)にいきなり雷雨になったのですが、先生も保護者も児童も、「ギャー!!雨!!雷!!オーマイガー!!」と大声で叫び、その場でグルグル回る。それだけこの地域の方は雨に慣れていないのでしょうか…?でも、深刻な水不足問題を抱える南カリフォルニアとしては正に「恵みの雨」なのです。

 

さて。カリフォルニアの公立小学校付属Transitional Kindergarten(以下TK)シリーズの続編です。

 

Back to School Nightで幼稚園の時間割が配られたのですが、それを見て私はびっくり!というか幼稚園に配るほどの時間割があることにびっくり。きちんと授業があり、一日の間にやることがあらかじめ決められているではないですか。

日本で通っていた保育園にも一日の流れはあり、何時に外遊びをし、何時にお昼を食べ、何時に英語の先生が来て、何時に帰りの会をし…ということは決まっていましたが、それは授業の時間割といったイメージではなく、もっとザックリとしたものでした。それに比べて息子が入園したTKではまるで小学校のような授業が組まれていたのです。

 

時間割公開

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実際の時間割

実際授業が行われる時刻は省略させていただきます。

絵本/自由活動 絵本/自由活動 音楽 絵本/自由活動 絵本/自由活動
算数 算数 図工 算数 コンピューター
Show&Tell Show&Tell 図書 Show&Tell Show&Tell
中休み 中休み 中休み 中休み 中休み
国語 国語 国語 国語 国語
昼食 昼食 昼食 昼食 昼食
降園 降園 降園 降園 降園

「授業」がある

お気付きでしょうか。上記時間割の水色のマス部分は全て「授業」です。小学校のように先生が児童に向けて授業をするというわけです。

「算数」と言ってもTKは日本でいう年中クラスなので、道具を使って数字の概念を理解したり、数字を書く練習をしたり、プリントを解いたり。プリントは児童がそれぞれ楽しく工作しながら数字について学べるようなものもあれば、「5+0=?」「0+1=?」など、足し算の入り口になるような問題も書かれていたり。(そもそもゼロの概念って日本ではいつ習うっけ…)

日本の年中さんでも自宅学習や幼児教室などの習い事を通してこのような算数を身に付ける子もいるのは見聞きしますが、公立の幼稚園で「授業」として取り入れることってあるのでしょうか?少なくとも我が子がお世話になっていた私立保育園ではなかったので、正直驚きました。息子は楽しそうにプリントをこなしているので良かったです。

 

ちなみに「コンピューター」の授業はクラスに10台ほどあるiPadを皆で共有し、iPadを使いながら学習したり、ITリテラシーまで教えてもらえる授業です。それにしても年中クラスにITリテラシーを教えるだなんてすごい時代だわ…と昭和産まれの母はまたもやびっくり。でもこれからの時代、このくらいの年齢からそのような情報に触れていくことが大切なのかも知れませんね。

Show and Tellとは??

さて、時間割で気になる(?)のがShow and Tellの文字ではないでしょうか。うちの幼稚園では水曜以外毎日その時間が設けられており、各自指定の曜日に自分のShow and Tellを行います。

 

Show and Tell

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Show and Tellとはプレゼンテーション

簡単に言うと、児童が好きなものをプレゼンする時間です。各自好きなおもちゃなどを持参し、クラスの前に立ってそれを数分プレゼンするのです。

例えば週末に行ったディズニーで買ったぬいぐるみを持参するとします。すると、クラス全員と先生の前に立ち、ぬいぐるみを見せて(Show)、週末ディズニーに行ったこと・誰と行ったか・何が楽しかったか・どうしてそのぬいぐるみを買ってもらったか、などを発表(Tell)するのです。発表が終わるとクラスメイトや先生から質問が来るので、それに答え、プレゼン終了となります。

こちらの子供達は3歳のPre-school時代からShow and Tellに慣れているのと、自分の好きなおもちゃなどをクラスの子達に自慢できるのが嬉しくて自分の担当日は朝からウキウキしています。登園と同時に周りの保護者や友達に自主的にShow and Tellを始めてしまう子もいるほど。

さすが、アメリカ人はこうして幼少期からプレゼンスキルを磨いているわけですね。そりゃあ話術で敵わないわけです。私より息子のクラスメイトたちの方がよっぽどプレゼンスキルが上です。笑

我が子の場合

先述の通り、多くのアメリカ人の子供達にとってShow and Tellは楽しいイベント。ところが英語が話せない我が子にとっては苦痛でしかありません。毎週担当曜日前夜は半泣きで練習し、当日の朝も泣きべそをかきながら登園し、結局ほとんど喋れずに落ち込んで降園する…というのが今のところお決まりのパターンです。

あまりにも辛そうなので先生に報告したところ、「彼の意志を尊重したいので、やりたくなければやらなくても良い」となんともアメリカらしい優しい答えが。

でも…一度「今週嫌ならやらなくてもいいよ」と伝えてしまうと、そのまま毎週逃げてしまう気がするので、我が家では心を鬼にして他のクラスメイトと同様に毎週やらせています。頑張れ息子。強くなるんだ。英語力だけでなく、精神力がかなり鍛えられるのがこのShow and Tellです。大勢の前で自分の思いを説明できるような子に育っておくれ。表向きは鬼母だけど、陰ではものすごく心配して胃をキリキリさせている私です。

 

授業以外の特色

水色部分の「授業」以外にもアメリカらしい特色がいくつかあるのでご紹介を。

Pledge of Allegiance

学校では毎朝始業前にPledge of Allegiance(忠誠の誓い)を唱える時間があります。

クラス全員で起立し、教室内のアメリカ国旗の方を向き、右手を左胸に当てて以下の文を暗唱します。

I pledge allegiance to the Flag of the United States of America, and to the Republic for which it stands, one Nation under God, indivisible, with liberty and justice for all.
(私はアメリカ合衆国国旗と、それが象徴する、万民のための自由と正義を備えた、神の下の分割すべからざる一国家である共和国に、忠誠を誓います) 

              -- Wikipediaより

最初は私も驚きましたが、こうしてアメリカでは幼い頃から愛国心を育む教育をしているのですね。そして訳も分からず周りの真似をする我が子。笑 うちはアメリカ人ではないけれど、自分の国に誇りを持つことを学んでくれれば良いなと思っています。

ちなみにこのPledge of Allegiance、学校だけではなく様々な公式行事の開会前に行われるもので、アメリカ人なら老若男女全員言えるはずです。

 

余談ですが、アメリカではスポーツ試合などの開始前には全員起立し、同じく右手を左胸に当てて国歌を斉唱します。先日野球観戦に行った時ちょうど国歌斉唱のタイミングで売店に並んでいたのですが、売店は大行列&間も無く始まる試合に間に合わないためお客さんたちもイライラしていたにも拘らず…国歌のイントロが始まった瞬間厨房もレジもスタッフ全員が整列して右手を左胸に当てて国歌を斉唱し始めたのでびっくり。アメリカ初心者の私は「えーー!それより早く目の前のお客さんさばいてよ!」と思ってしまったのですが、でもアメリカ人にとってはこれが当たり前なのですよね。勉強になります。

Snack

毎日中休み(Recess)の時間帯に自宅から持参したおやつを食べます。日本にいた頃は保育園で自園調理の給食とおやつにお世話になっていたので、最初は毎朝お弁当もおやつも用意するペースがつかめずにてんやわんや。でも今では子供が何をどのくらい食べているか把握できるし、安心しています。

おやつやお弁当の内容についてはまた別記事にまとめたいと思います。

避難訓練

多い時期には月3回も避難訓練が予定されています。何をそんなに訓練することがあるの?!とも思いましたが、配信されるニュースレターで詳細を確認してみると、火災訓練・地震訓練・ロックダウン訓練とありました。

ロックダウン訓練とは、例えば近隣や校内で銃撃事件があった時など、生徒の命を脅かす事件が起きた時のために学校の門や全ての扉をロック(施錠)して隠れ、生徒の命を守る訓練のこと。アメリカは銃撃事件などが後を絶ちませんし、常にそのような事件のリスクがあるので、治安の良い地域とはいえ万が一の事態に備えてそのような訓練を行うのが大切なのですね。日本人としては、そのような訓練をしないといけないこと自体が正直怖いです。

 

以上、幼稚園の「授業」、Show and Tell、そしてその他アメリカならではの特色についてでした。