息をするように相手を褒める
こんにちは。
子供を2人連れて歩いているからか、一歩家の外に出ると色んな方に話しかけられます。そして驚くのが、殆どの方が私たちのような地味〜で身なりも適当なアジア人親子を褒めてくれるのです。
私たちは決して雑誌に出てくるようなキラキラ親子ではありません。それなのに褒められる。これは私たちが良いのではなく、西洋人…特にアメリカ人の方々が驚くほど褒め上手なのです。
息をするように相手を褒める
子供を褒める
幼稚園の送り迎えで、スーパーで、アパートの中庭で、道を歩いていて…とにかくどこでも褒められる。日本でも赤ちゃん連れで外を歩くとおばあちゃんに「今が一番可愛い時よねぇ〜」とか言っていただくことは多々ありますが(それが本当に褒め言葉なのかはさておき)、頻度で言うとその比ではありません。
"Hi beautiful"(可愛い子ちゃんこんにちは)
"She's such a happy baby!"(とてもご機嫌な赤ちゃんね)
と挨拶で言われるのは日常茶飯事。
知らない方からも容姿、態度、何から何までとにかく褒めていただけます。
しつこく言いますが、決してうちの子たちが特別秀でているわけではありません。ただ単に、こちらの方々が長所を見つけることと、またそれを言葉にして褒めてくれることが上手いのです。
息子がスーパーで子供用のカートを押していれば「カートの押し方が上手いのね」「お手伝いして偉いわね」「お母さん想いでかっこいいわね」「将来運転が上手になるわね」等々。
娘がカートの座席部分に大人しく座っていれば「良い子で座っていて偉いわね」「座っているだけで可愛いわね」「お母さんのお買い物の手伝いをしていて偉いわね」「可愛い可愛い可愛い・・・」等々。
大人も褒められる
褒められるのは子供だけではありません。アメリカに来てまでして上下ユニクロで白髪も染められていない二児の母(私)でさえ褒めていただけます。
容姿のこと、笑顔のこと、頑張って英語で話していること、子供に対する態度のこと…。
そんなに褒められるようなことはしていないのに!何だかくすぐったい。日本にいた時は人に褒められることなんてなかなかなかったのに。特に見知らぬ方や、朝少し会うだけの幼稚園の保護者とか、スーパーのレジの方。本当にこんなおばちゃん(私)を褒めてくれます。
褒めて伸ばす教育
幼い頃から褒めて褒めて褒めまくる
日本でももうここ何年も「怒らない育児」とか「叱らない育児」と言う言葉を聞きますよね。私は詳しくはないのですが、その方針の根底にあるのは恐らく「悪いところを叱るのではなく、良いところを褒めて伸ばそう」という想いなのではないかと思います。
それを何十年も前から自然に実践しているのがアメリカ人。…と言ってもアメリカ人が怒らないわけではないのですけれどね。アメリカ人、あまり怒鳴ったりはしませんが、大きな声ではっきりとお説教し、子供に自分一人で落ち着く時間を与えて反省を促し(time out)、あとは良いところを褒める。褒めまくる。長所や良い行いを褒めることによって、子供自身ももっとそのように行動しようと学ぶ。
個人的にはアメリカ人流育児がベストだと思っているわけではないのですが、その
・褒めて伸ばす
・子供に自分で考えて反省する時間を与える
という点においては大いに参考にしていきたいと思っています。
先生にもとにかく褒められる
褒めるのは親だけでなく、学校や習い事でもとにかく褒められます。先生方はどのような些細なことでも、少しでも良いところを見つけて褒めてくれます。そして、褒められた親も謙遜せずに「ありがとう」と受け止めたら、「そうなんです先生!!」と同調している。逆に「いえいえそんなことはありません」なんて言おうもんなら変な顔をされます。
そうして親からも先生からも認められて、褒められて成長していくのが、自己肯定感の強いアメリカ人なのかな…と思います。
子供が自分に自信を持つこと、自己肯定感を高めていくことは大切なことだと思うので、私も自分の子供たちを褒めて、積極的に長所を見つけてそれに自信を持たせてあげるような育て方をしたいと思わされます。
褒め上手なアメリカ人と、褒め下手な私
褒め上手なのはどうして?
長々と書いてきたように、アメリカ人の方は本当に褒め上手な方が多いです。息をするように褒め言葉を口にする。褒める語彙力も豊富だし、考えなくてもスラスラと出てくる。
一方私はどうでしょう。これは多くの日本人にも言えることなのではないかと思うのですが、相手を褒める言葉がそんなにスラスラ出てこないんですよね。例えば初めてお会いする方が素敵だと思っても、初対面でいきなり
「ワオ!素敵ですね。髪もサラサラで美しいし、洋服もセンスがいいし、色合いも季節感が出ていておしゃれ。あなたにとても似合っていますね。」
なんて言えない。でも、アメリカ人は結構言えちゃう。
どうしてでしょう。どうしてこんなに違うの?
それってきっと、自分が褒められて育っているか、そうでないかの違いなのではないでしょうか。自分が幼い頃から何パターンもの褒め言葉のシャワーを浴びて成長しているから、褒められることが喜びに繋がることも知っているし、褒め言葉のパターンも覚えている。褒められることが当たり前だから、相手も褒めようと思う。
やっぱり、自分がされて嬉しかったことは自然と相手にしてあげたいと思うものですよね。そして実際それを行動に移せるかどうかは、「されて嬉しかったこと(この場合、褒められること)」を「された頻度」によるのかと思います。
褒め上手になるために
現状の私は、情けないことに褒められたら褒められっぱなし。朝幼稚園でお友達のお母さんに会い、
"Wow, I like your sweater! Is that new?"(あなたのセーター素敵ね。新しいの?)
とか言われても、
"Thank you, yes it's new!"(ありがとう、そう、新しいの。)
くらいしか答えられません。そして会話終了。チーーーン。
数秒後に「あぁ、私も相手の方を褒めれば良かった」とは思うものの、なかなかとっさに褒め言葉が、しかも英語で、出てこない…。
こんな自分を変えるためにはどうしたらいいだろう?
まずは、相手に褒められたら同じようなことを褒め返すところからはじめたい。先程の例だと
"Thank you, yes it's new! I like your sweater too though, it looks so comfortable!"(ありがとう、そう、新しいの。あなたのセーターもいいな、着心地が良さそう!)
とか、なんだっていいから…とにかく何かひとつだけでも自然に返せるようになりたいです。慣れたら自分から褒め言葉を言えるようになるといいな。
そして、自分の子供も褒めて褒めて褒めまくって育てて(私はもちろん怒りもするけれど!)、いずれは自分の子供が周囲の人に褒め言葉を伝えられる人間になってくれることを目標にしたいと思います。
以上、アメリカ人の褒め上手な部分を見習いたいな…という話でした。